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自分のための覚書

空気階段の踊り場 ダメ人間のピュアさとマザコンの恐ろしさ 

www.tbsradio.jp

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今、一番はまっているラジオが空気階段の踊り場。よしもとの8年目のコント師TBSラジオのラフターナイトというネタ番組でチャンピオンになり、番組が始まった。鈴木もぐら(31)と水川かたまり(28)の二人。

私が知ったのは最近で、かたまりの号泣プロポーズがバスっていたから。ラジオ中に別れた彼女に再プロポーズし、その後ふられて、彼女からのメールが番組に届く。そのときはよく知らない芸人だったけど、感動してしまった。

それからラジオクラウドで過去の番組を全部聞いてみた。

鈴木もぐらは、デブで足がくさい、借金650万をギャンブルと風俗で作った、仕事に何回も遅刻しているという最低人間。女性とお付き合いしたことがない。一方、かたまりは中退したものの、慶応出身のネタ担当、小奇麗なメガネ男子で一部の女子には人気がでそう。

もぐらの遅刻などの迷惑行為を「(人の心に)石を積む」といい責めるかたまり。もぐら=ダメ人間が前提にある。

しかし、番組を聞き進むにつれ、二人の人間性がどんどんでてくる。

もぐらがテラスハウスでの出来事に対し、「付き合ってないのに、キスやハグをするのはおかしい、俺には分からない」と言い出す。これには衝撃を受けた。そもそも男性若手芸人というものは、いかにその日にやれるかやれないかしか考えていない。ということを不愉快ながらラジオで散々聞かされてきた。芸人にもこんなこと言う人がいるんだと思ってしまった。(風俗に行ってる時点で、倫理観はどうなのか?という話だけど)

もぐらは30歳で初めて彼女ができるが、その話もまるで初めて恋をした高校生のよう。自分が好きだと言っていた本をプレゼントしてもらって、すごくうれしかったとか。彼女からすると、素人童貞の30歳の男を落とすなんて赤子の手をひねるようなもんだったろう。とにかく恋愛に対してはとてもピュアだ。

さらに、もぐらは自分の生い立ちや家族のことも、どんどんネタにする。2番目のお父さんの背中にお絵かきがあったとか、針金のモールに砂糖水をつけてなめていたとか、牛乳はいつも冷蔵庫にあるものじゃないとか。87年生まれのもぐら、その時代の日本でもやっぱり貧困ってあったんだなと思ってしまう。そして妹との貧しいながらも楽しい生活をモチーフにした名コーナー「あんちゃん、あそぼ♪」が誕生する。兄弟愛、貧困、ほとんど平成なはずなのにただよう昭和感、悲しさ、郷愁のつまった名コーナーだったが、家族にばれて終了となってしまった。現在の妹さんはおそらく実家暮らしで、二人の子供がいて、「絶対にふれちゃいけないやつ」である事情がある。無邪気でかわいくて、自分を慕ってくれている小さいころの妹を自ら演じるもぐら。絶品の悲しい一人芝居。でも、現在の「もぐらを拒否する妹さん」を作ったのは、もぐらだろうと、予想できる。

一方、まとも人間の立ち位置のかたまりだったが、熟女好きのマザコンであることが分かってくる。お母さんの言いつけをいい歳して守っている、おこずかいや仕送りをもらっている。仕送りは今ももらっているんだろうか?危ないバイトはやらせられないからね。

熟女好きに関しては、幼稚園児のころ、幼稚園の先生に自分のつまらない話を親身になって聞いてくれたのがきっかけになったとのこと。心底ぞっとする話だった。熟女好きというのはただ、自分を認めてもらいたい、母親のように異性に接してほしいのでは?だからマザコンであるし、年下の彼女にもキングオブコントの決勝に行けなかった日、同棲している部屋を荒らすという形で、当たり散らしてしまう。彼女、結婚しなくてよかったね。まだ売れてない芸人ってだけでも大変なのに、マザコンってめちゃめちゃ苦労する。

さらに、熟女好きをアピールしておいて、付き合うのは年下女性ということが発覚し、この世のすべての女性を敵に回した。(若い女性も自分が歳をとっても受け入れてもらえる可能性があるんだと思ってしまうので、熟女好きは好印象)

ラジオを長く聞いていると、パブリックイメージでクレージーなほうは意外とまともで、もう一人こそがクレイジーというパターンがよくある。(爆笑問題など)

空気階段についても同じように見えてきた。これからも目が(耳が)離せない。