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自分のための覚書

精神(映画)ネタバレあり

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連れが映画を見に行くとのことだったが、その映画は見たくないので、同じ時間帯で見つけた映画。

ほとり座が元フォルツァのところに移転して初めて行った。朝いちの回だったので、お客は私ともう一人だけ。1,800円って高いなと思ったけど、貸切みたいなものなんで、よかったかも。

監督について泡沫候補の映画を撮った人ぐらいの知識しかなく、その映画も見てない状態で鑑賞スタート。最近ドキュメンタリーを何作か見たので興味があって。

 

映画が始まると昭和の家みたいなところが精神病院らしい。人物もなんか昔の人みたい……進むにつれ分かったが、2005年の撮影で2009年の映画らしい。2020年時点の今、先生のその後を描いた「精神0」なる映画があり、その関係で上映されていたのね。知らないまま見たよ。

BGMやテロップ、説明はない。演者でもなくピンマイクも付いてないと思うので、何を言ってるか分からないところもある。見ているこっちもイライラするところもある。演出が限りなく少なく、普通の映画のような面白さはない。それがこの監督のスタイルらしい。東海テレビのようなキャッチーさやエンタメ感はないけど、きっとどこを写すか、使うかには監督の主張があるんだと思う。面白いね。

 

 

以下ネタバレ(ストーリーを楽しむ映画ではないけど)

 

 

患者さんはいろんな人がいて、ちょっと見るからにおかしそうなおじさんもいたけど、ほとんどの人は普通の人に見える。普通の人のちょっと元気ないときかな?とか、こういうメンヘラな人いるいる!ぐらいの……錯乱状態、パニック状態の映像はない。でもじっくり話を聞くと、いかに辛いか、希死念慮と戦っているとか、あるはずのない声が聞こえるとか、いつか犯罪を犯してしまうかもとか大変なんだなあということが分かる。

 

だじゃればっかり言うポエマーおじさんは、明るくてうざいぐらいなんだけど、20年以上闘病しているらしい。たまに真顔になると心配になっちゃう。

 

一番インパクトがあったのは、やはり子供を殺してしまった女性の独白。年齢は分からないけど、なんだかすごく幼く見えた。親のことや夫のことや一人目のお子さんのことで大変なことになっているのに、二人目作っちゃうんだーとも思っちゃったな。現在のご家族との関係が分からないけど、一人暮らしなのかな?排水口のシーンはグロシーンのように目をそむけてしまった。でも、私だって毎日排水口の髪の毛拾ってるよ。生活ってそういうことだよねってことかな。ヘルパーさんが「ダイエット!ダイエット!」って言うのはむかついた。気持ちは分かるが……

最後に追悼とのことで、3人の方のお名前がでる。映画を見ている最中は、2020年の時点で亡くなられているのかな?と思ったが、調べると2009年当時もこのシーンはあったよう。2005年に撮影してから、2009年に公開するまで3人もの方が亡くなられたんだ……特に明るい表情で喋る女性が印象に残っているので、びっくりしてしまう……生き残ることは大変なことなんだな。離れて暮らす家族にうつ病患者がいるので、ちょっと心配になってしまう。

統合失調症の患者さんが一番はきはきしたしっかり者に見えて、イメージと違った。「健常者と患者の違いは?」というこの映画で一番言いたいことを言ってくれてるのかな。